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花の丘公園発 知っとく!!花通信(1号~20号)

[2015年12月28日]

いんザイ君読書


北総花の丘公園緑の相談員さんから、いんザイ君が教わった花の情報を「いんざい花だより」を見に来てくれたみなさんにも教えちゃいます。

No.20 シクラメン

 木枯らしが吹く季節になると店のショーウインドウやお歳暮コーナーには大鉢のシクラメンが見事な花色を添えています。小型のシクラメンは、11月頃にはホームセンターや園芸店の売り場にたくさん並べられていますが、両方とも同じ種類のシクラメンです。

 シクラメンの故郷はヨーロッパから北アフリカおよび中近東の地中海沿岸地域となり、20程の原種が自生しています。地中海沿岸は夏が高温乾燥、冬は平均気温が10℃位で温暖湿潤な気候の地帯で、私達が親しんできたシクラメンはこの地域に自生しているペルシカム(Cyclamen persicum)という原種がもととなっています。多くの花はいろいろな種を交配して新しい品種が作られることが多いのですが、シクラメンは原種間での交配(種間交雑)が難しく、長い間ペルシカムという原種一つで交配が重ねられ、現在の品種群が成立しました。ペルシカムは凍る寒さには弱く、香りがあります。しかし改良の歴史の中で園芸品種には香りが失われてしまいました。

 最近では、交配の技術が進歩し、香りがある原種プルプラセンスの血を取り入れ、香りを売りにした品種が出回るようになりました。また、変化のある花形も見られるようになり、花弁の先端が縮れてフリル状になる「フリンジ咲」その代表品種といえる‘ビクトリア’や花弁が鶏冠状になり反転せず、先端がフリル状なる「ロココ咲」と呼ばれるタイプや八重、銘花といわれるパステル系の‘ピアス’などが含まれる2色咲の品種群がみられます。

 ミニシクラメンの品種群もそれまでに改良されてきた園芸品種に、再度野生のペルシカムを交配し、1950年代にオランダで育成されたものです。ホームセンターなどのシクラメン売り場も以前に比べるといろいろなタイプのものが陳列されており、それらの中でミニシクラメンをよく見ると、葉の模様が美しいものが多くみられます。花色だけでなく、気に入った葉の色模様を集めるのも楽しみの一つとなります。

 ミニシクラメンやガーデンシクラメンは寒さに強いというふれこみで売られていますが、この辺りの野外では凍ると弱り、枯れてしまうことがあります。しかし、原種の中には凍る寒さの中で元気に花を咲かせる秋咲のヘデリフォリウムと冬咲きのコウムがあり、見かけることが多くなりました。冬のお庭にお勧めの小さな可愛い花をつけるシクラメンの原種です。

 シクラメンを頂いたので、室内で大事に育てていたら瞬く間に花が終わり、葉が黄色くなり間延びして弱ってしまったという相談を受けることがあります。そのようになってしまった原因は夜間の高温と日照不足です。シクラメンの生育適温は15-18℃です。くれぐれも夜間暖房がきいた部屋には置いたままにしないでください。また、日光が大好きなので5月頃までは昼間十分に陽に当ててください。そして、月に1-2回液体肥料または化成性肥料を施すと元気に長い間たくさんの花を咲かせ、5月頃まで楽しむことができます。
12月掲載写真

    ミニシクラメン             ロココ咲                2色咲            大鉢・4月の開花状態

(昨年から咲き続けているもの)                          (覆輪タイプ)

No.19 ピラカンサとレオノティス

 秋も深まり、公園の木々も色づき始めました。北の国から渡り鳥がやってくる季節になると赤や橙の明るい暖かな色が目立つようになります。   

 前年にも紹介しましたが、公園にはサルビアの種類が多く植栽されており、寒さが加わる11月ともなると、青空の下でブルーや紅の色彩がさらに深まってきます。パイナップルセージも真紅の花が秋の陽に輝きを増しています。そして、やっと咲き出す花もあります。今回紹介するレオノティスで、ライオンズイヤーとも呼ばれています。サルビア類によく似ていますが、別種でシソ科レオノティス属の半耐寒性の草花です。南アフリカに自生しており、花は11月から12月にかけて咲きますが、凍てつく寒さになると地上部は枯れてしまいます。しかし、この辺りでは根は生きており、春になると元気に芽吹きます。背が高く育ちますので、6月頃地上から30~50センチメートル位で切り戻しをすると枝の数も増え開花時の丈を低く抑えることができます。切った枝はさし芽をすると簡単に根が出ますので1ヶ月後位に植え替えることができます。

 陽の光に真紅に輝く実をびっしりとつけているのは「ピラカンサ」もしくは「ピラカンサス」と呼ばれる木です。ピラカンサは和名でトキワサンザシと呼ばれて学名はPyracantha coccineaと記します。西アジアに自生しているバラ科の木ですが、同じ仲間にヒマラヤに自生しているヒマラヤトキワサンザシ、また中国南西部に自生し橙色の実をつけるタチバナモドキがあります。現在流通している木は、前記の種を交配した品種が多く出回っており、区別なく皆「ピラカンサ」と呼んでいます。真紅、橙、黄色の実をつけるそれぞれの園芸品種が出回っており、真紅の実をつける木はあちこちのお庭や公園で見ることができます。

 公園のハナミズキやサンシュユ、ガマズミの赤い実やムラサキシキブの紫の小実は今が見頃で、寒さが厳しくなり葉が落ちると小鳥たちのご馳走となり、次第に枯れ木の姿に変わっていきます。しかし「ピラカンサ」は年を越して厳寒のころまで見られますが、ある日を境にヒヨドリたちの食事場となり、瞬く間に赤い実はすっかりなくなってしまいます。
11月掲載写真
        ハナミズキ・赤実              レオノティス・レオヌルス             ピラカンサ・赤実

No.18 秋バラと皇帝ダリア

 バラがきれいな季節は咲き始めの5月と10月にあります。10月から11月に咲くバラは秋バラと呼ばれ、澄んだ青空の下で楽しむには最適な花といえます。 あまたある品種によっては秋の色に深みが増して、春バラより美しく変身するものもあります。

 現在流通しているバラの品種は数千種類あり、それでも毎年数多くの新しい品種が誕生していますが、そのほとんどが四季咲き性のものです。オールドローズと呼ばれる400年以上前から栽培されている自然交雑によって生まれた春咲きの品種群がありますが、18世紀末から19世紀の頃、中国の四季咲き性の原種(コウシンバラ)から生まれた品種がヨーロッパに導入され、1867年に「ラ・フランス」が発表されハイブリッド・ティー(HT)と呼ばれる四季咲き性の現代バラへと発展してきました。

 四季咲き性のバラは、春に一番花が咲いてから、花がらを切り戻すごとに新しい芽が伸び絶えず花を咲かせます。秋に美しく花を咲かせるために、わが国では夏の剪定を行うことが考え出されました。亜熱帯となる日本の夏は、バラにとって、とてもつらい季節で樹勢が弱ります。そこで、美しく秋バラを咲かせるために、8月下旬から9月上旬頃に軽い剪定、枝の整理を行います。今年伸びた枝を3分の1位を目安に切り戻し、剪定後に化成肥料の追肥を施します。

 ヨーロッパではダリアが好まれ、広い庭には必ずといってよいほど見られます。私たちが栽培しているダリアの先祖にあたる原種は、中南米の熱帯高地に自生しており、日本の蒸し暑い夏を嫌います。初夏に花をつけた後は、蒸し暑さや台風の雨風で傷み、見るも無残な姿となってしまうことがあります。しかし、秋風が吹くようになると元気を取り戻し、10月頃には見事な花を咲かせます。近頃あちこちで見られるようになった皇帝ダリアは原種の一つで、短日性(夜の暗い時間が長くなると花をつける性質)で、秋に開花する習性をもっています。この辺りでは10月下旬から11月にかけて咲きますが、植わっている近くに街灯の光などがあり、明るいと一向につぼみが上がってきません。そのうち花をつけないまま凍る日がくると地上部は枯れてしまいます。

 皇帝ダリアは、街灯や電飾看板などの明かりが届かない場所に植えるようにしてください。地上部が枯れたら、防寒のため株もとに土や堆肥を布団のように厚くかぶせておくと、枯れずに来春には新芽が出てきます。
10月掲載写真
            コウテイダリア                    バラ・パパメイヤン

No.17 秋の色と香り

 まだまだ暑い日が続きますが、晴れた青空には筋雲が見られるようになり、秋が近づいているのを知ります。公園の植栽にも秋の色が目につくようになり、その代表がコスモスではないでしょうか。秋になると以前のニュータウンのあちこちにコスモスが見られましたが、だいぶ街並みが変化してきて最近では見られる場所も少なくなってきたようです。

 コスモスはメキシコの高原に自生する一年草で、明治の頃日本に入ってきました。透明な色彩で美しいうえ、しかも風にそよぎ咲く姿が日本人の感性に合ったようで、広く愛される秋の花となりました。しかし、最近のコスモスは改良が進み、早咲きで秋が来る前に花をつける品種が登場し、春に種子を播くと夏には咲いてしまいます。秋のコスモスを見るには、初夏に播くか、夏に咲いた花を切り戻し再度秋に咲かせるのが良いでしょう。切り戻した場合は追肥を忘れずに施してください。また、こぼれ種でも春になるとよく発芽し翌年も花をつけますが、最初に播いた品種の特性[花色や開花時期など]は失われていきます。

 早い年ですと9月下旬になると、町のどこからともしれず良い香りが漂ってきます。香りをたどっていくと、緑の葉の中にオレンジ色の小花を密集させているキンモクセイの木があります。キンモクセイの香りに秋が来たのを知り、ジンチョウゲの香り漂う夕闇に春が近づいたのを知ります。

 キンモクセイ、ジンチョウゲとも公園にも植栽されています。普段は濃い緑をした木なので目立ちませんが、花の時期になると香りで際立ちます。

 キンモクセイは中国南部に自生している常緑性小高木で、白い花をつけるギンモクセイの変種とみられています。どちらも雌雄異株で、わが国にはどちらの種も雄株しか入っていなく実はつきません。属名はOsmanthusとラテン語で表記しますが、「匂う花」という意味です。春から伸びた枝につぼみをつけますので、3月下旬から4月上旬ごろ剪定しても、深く切り戻しをしなければ開花に影響はありません。秋に2回咲く時があるようで、オレンジの花が地面を染めてからしばらく経った10月下旬の頃、ほのかな香りがまた漂い花が咲いていることに気づきます。2度の芳香に浸る喜びを感じると、何か得したような気持になります。

9月掲載写真
           キンモクセイ                        コスモス

No.16 夏は水色

 暑い日が続くと、木陰の涼しさを求めたくなり、木の葉を揺らす風に心地よさを感じるこの頃です。暑さにもめげず庭や公園にもいろいろな花が咲いていますが、ブルーの花色に爽やかさを感じるのもこの頃です。

 カンナの赤やヒマワリやマリーゴールドの黄、ムクゲやサルスベリ、キョウチクトウのピンクの花はよく目につきますが、ブルーの花は目立ちません。しかし、探してみると、意外と身近に見られるもので、朝早くに花を開き日中には閉じてしまうツユクサはどこにでもある野草です。透明な水色は園芸品種に見られないきれいな花色といえます。子どもの頃に水色の花を摘み、色水を作り遊んだ方もいるのではないでしょうか。ツユクサのブルーは水に溶けて消えてしまいますので、服にシミをつくることがありません。

 さて、公園でも来園者に四季を通じてお花を楽しんでいただくために、いろいろな草木を栽培していますが、夏に咲くブルーの花も何種類かあります。まずは、本来はこの近辺の里山にも多く自生しているギボウシですが、外国で積極的にガーデニングに用いられており、公園にも‘寒河江’(サガエ)を筆頭に数種類のギボウシがあり涼しさを演出する草花として重宝しています。日本の自生種を親として多くの園芸品種が外国で作出され、それらが里帰りして初夏の園芸店には、それらの園芸品種のごく一部が販売されるようになっています。薄いブルーの花を咲かせるものが多いのですが、中には香りのある花をつける品種ロイヤルスタンダードがあり、花も大きく目立ちます。

 また、デュランタ タカラヅカという濃い青紫の花を咲かせる熱帯アメリカ産の低木、半耐寒性低木で水色の花をつけブルンパーゴが、花が咲くと展示されます。

 夏のブルーの花には、アメリカンブルーというヒルガオ科エボルブルス属の低木状多年草があり鉢物でよく見かけます。性質は丈夫で乾燥にも強いのですが、冬の寒さに弱く、凍らせると枯れてしまいます。この花を小さくして、もっと濃い青い色をした花をつけるケラトスティグマ・プルンバギノイデスがあります。日本では「ルリマツリモドキ」として流通している中国西部の川の渓谷の乾いた斜面に自生している叢生(ソウセイ)低木で、冬の寒さで枝は枯れるものの根は生きているので春になると新しい枝が伸び、その先端に毎年夏が近づくと目が覚めるような青い花を次々と咲かせ続けます。ガーデニングにも使える花ではないでしょうか。

キボウシ デュランタ
        キボウシ                    デュランタ タカラヅカ
ブルンパーゴ      ルリマツリモドキ
             ブルンパーゴ                            ルリマツリモドキ

No.15 宿根草とガーデニング

ラベンダーと蜂

 草花には、芽が出てから生長し1年から2年のうちに花を咲かせ種子をつくり枯れてしまうものと、長い年月にわたり生きて花を咲かせる多年草に分けられます。多年草の範ちゅうに球根や洋ラン、宿根草が含まれ、宿根草という場合は、冬に地上部が枯れて根は生き残り、春になるとまた芽を出し生長する植物を指します。
 ガーデニングで花壇の構図を考える場合、毎年違った1、2年草を植えて楽しむのも良いかもしれませんが、単調な色彩の花壇になってしまいます。そこで、宿根草や低木を骨格とし、季節ごとに花が変わり長い間楽しめる飽きのこない、しかも見栄えがするように1、2年草との組み合わせを考えるとよいでしょう。

 英国では20世紀に入ると、コティジガーデンと呼ばれる田舎風の庭が注目されるようになり、女性園芸家・工芸家であるガートルード・ジークル(1843-1932)が現代に続くイングリッシュガーデンといわれるスタイルを確立しました。大きな特徴は「ボーダー」といわれる狭く細い空間に、多様な植物を使い、絵を描くように、しかも立体的に配置した、季節が移り替わるごと、年を重ねるごとに表情を変えて長く楽しむことができる花壇でした。
 ボーダーには宿根草が多く使われ、背景には低木やツル植物を配置するなどし、どこか私たちが昔目にしていた風景に様式が似ています。それは、まさに田舎の雑然とした花が咲く庭であり、田んぼの向こうに広がる里山の縁をめぐる田舎道や切り通しに見られた季節の花々ではないでしょうか。
 手入れが行き届いた里山の林縁には、マント群落といわれるクズ、センニンソウ、カラスウリ、マメの仲間が林をふさぐように生い茂り、田の畔に続く草むらには、アザミ、ホタルブクロ、ヤマユリ、ヤブカンゾウ、ギボウシ、ワレモコウ、アキノタムラソウ、ミズヒキ、リンドウ、キツネノカミソリ、アキカラマツ、ノコンギクと数えればきりがありませんが、素朴な野の花が豊かに季節に彩りを添えていました。公園のEゾーンの自然生態園周辺は、それら林縁の植物が多く残っており、旬の花を楽しむことができます。
 公園のBゾーンでは、夏ともなればいろいろな花が咲き続けます。野の花とは違いますが、周囲の林や芝地、花壇と自然と調和がとれた花たちです。その代表格がヘメロカリスです。夏が終わるまで橙や黄色の花を、暑さにもめげず次々と咲かせます。このヘメロカリスは、もともと日本の山野に自生しているニッコウキスゲなどを元にヨーロッパやアメリカで改良され、里帰りしたもので、野にあるヤブカンゾウと同じ仲間です。
 もう一つの花がタカサゴユリです。草むらからすっと茎を伸ばし、テッポウユリと見間違うような白い花をつけます。初夏から秋まで咲き続けますが、元々台湾に自生しているユリで日本には観賞用として入ってきたものが野生化しました。種子が飛ばされると雑草のようにあちこちに広がり、今では道端でもよく見かけるようになりました。種子は容易に発芽しますので、簡単に増やすことが出来、生長が早いものはその年に開花するくらいです。テッポウユリの様に香りはありませんが、暑い日差しの中でゆれるタカサゴユリには、爽やかさを感じます。

7月掲載写真

                              ヘメロカリス                             タカサゴユリ

No.14 初夏の花

 初夏の公園は緑が濃くなり、白い花が目立つようになります。ウノハナと呼ばれるウツギやその変種で八重咲きのサラサウツギ、ヤマボウシ、エゴノキ、クリ、カシワバアジサイなどの花が次々と咲き、あちらこちらで見られます。なかでも公園に多く見られるのがヤマボウシの白い花です。日本の北海道を除く山野に広く自生しているミズキ科ヤマボウシ属の落葉高木で、Bゾーンで多く見られます。夏になると赤い玉の実が美しく、晩秋になると色づいた葉を楽しめます。

 5月中旬ころから咲き始めますが、白い花弁のように見えるのは、じつは総苞(そうほう)と呼ばれる花を保護する葉が変化したものとみられています。木により開花期がずれる様で、長い期間咲いている姿が見られます。また、木により若干赤みを帯びている花をつけるのもあります。赤く色づいた実は食べられますが、果実にあるような酸味がまったく無く、ただ甘いだけで物足りないような気分になります。

 ヤマボウシの花を見て気づかれると思いますが、ハナミズキと同じ仲間で、ミズキ科の木々は湿った場所を好みます。庭に植えるとき、造成地で粘土や赤土が見られる場合は、牛フン堆肥などを少し深いところまで土と十分に混ぜ合わせてから植えると枯れこむのを防ぐことが出来ます。

 梅雨の頃、くもり空の下でビヨウヤナギはとても美しく優雅に映える花だと思います。Bゾーン駐車場の植栽に多く使用され、そのほか園路にも見ることが出来ます。中国中南部に自生するオトギリソウ科オトギリソウ(ヒペリカム)属の半常緑低木で1m位の根元から多くの細い枝を出して枝分かれした枝先はやや垂れ下がります。庭の高木の下などに適する木で、非常に丈夫で真夏でも植え替えが可能です。同じ仲間のキンシバイも公園にあり、ビヨウヤナギと似た小ぶりの黄色の花を同じ時期につけます。両者ともさし木でも増やすことが出来ますが、ヤマブキと同じ様に地下茎が伸びてあちこちに顔を出しますので、出た株を掘り取って植えるのが手早い増殖方法といえます。

 梅雨空になると北総花の丘公園の空を低く素早く飛び交うツバメの姿が見られるようになります。今年も無事に帰ってきて、子育てをする姿を見つけるとうれしく思うこの頃です。

ヤマボウシの花と実
    ヤマボウシの花                      ヤマボウシの実
ビヨウヤナギとツバメの巣
      ビヨウヤナギ                    子育てをするツバメ

No.13  ツツジとボタン

 ツツジというと、東京の根津神社と山手線駒込駅が有名ですが、駒込にはもう一つ欠かせない有名な大名庭園があります。現在は都の公園として公開されている「六義園」です。江戸時代には近くに植木屋が集まった染井村があり、園芸界で有名な伊藤伊兵衛がおりました。六義園の隣にあった藤堂家の下屋敷から数多くのキリシマツツジを譲り受け、ツツジが増えるに従い「つつじや伊兵衛」と呼ばれるようになったといわれています。

 元禄5年(1692年)に3代目伊兵衛は「錦繍枕(キンシュウマクラ)」というツツジの品種を集めた本を出しています。ツツジ175品種とサツキ161品種を絵図入りで解説しています。

 北総花の丘公園のBゾーンにはツツジが多く、4月上旬にミツバツツジが淡紅紫色の花を開き始め、続いてヤマツツジの橙色、色彩豊かな小さな花を枝が見えないほどたくさん咲かせるクルメツツジ、5月に入るとヒラドツツジの品種や‘オオムラサキ’の濃い赤紫の大きな花と、色とりどりのツツジが咲きすすんでいきます。

 ツツジはツツジ科ツツジ属の低木で、わが国には多くの種が自生しています。常緑性のものと、冬に葉を落とす落葉性のツツジに区分し解説されています。ミツバツツジに代表される落葉性の種は夏の高温、乾燥に弱く、庭に植えて根付いたと思っていても猛暑の夏を越せずに枯れてしまうことがよくあります。

 ツツジは酸性土壌が好きで、細根が地表近くに密集しているので、排水が悪い粘土質の土壌には適しません。また、来年咲く花芽は6、7月頃新梢の先端にできますから、剪定は花後すぐに行ってください。
オオムラサキとヤマツツジ
  オオムラサキ                                 ヤマツツジ 

公園のボタンは、早咲きが4月下旬ころから咲き始め、連休の頃の瞬間に見ごろとなります。初夏の一瞬をあでやかに彩るボタンの魅力は昔の人々も感じていた様で、薬用として栽培されていたものが唐時代には花を観賞するため栽培されるようになりました。ボタンは中国北西部の山の斜面など比較的水はけが良いところ自生している落葉低木で、8世紀頃我が国に渡来しました。

現在流通しているボタン苗は、草であるシャクヤクの根に接ぎ木したものがほとんどです。シャクヤクはボタンより湿り気があるところが好きで、根からも芽が出る性質があります。ボタンの根元から時々赤い芽が何本か出ていることがありますが、それはシャクヤクの芽なので、そのままにしておくとボタンに栄養がいかなくなるので抜き取ってください。
ボタン
                                            ボタン

No.12  桜いろいろ

 桜の季節が巡り来て辺りを見回すと、あちらこちらにこんなにも桜が多かったのかと、改めて驚きを覚えます。私達が桜をめでる様になったのは、京都に都が移ってからだといわれています。平安京の周囲の山々には桜がたくさんあり、公家や貴族、文人が歌に数多く詠むようになりました。

 江戸時代になると桜は行楽の場所に植えられ、また花好きの将軍は率先して植え、庶民がこぞって桜の名所で花見を楽しむようになりました。

 さて、桜と記しましたが、植物学的には桜という特定の種はありません。日本には、北は北海道から南の沖縄まで、約9種類の5弁の美しい花をつけるサクラが自生しています。つまり、桜とはバラ科サクラ属に分類される樹を総称した名前になります。

花の丘公園桜

 植物として正しい名前を記せば、平安の貴人がめでた桜は「ヤマザクラ」、江戸時代の庶民が花見をした桜も吉野山の千本桜も「ヤマザクラ」、そして私達が学校や公園、堤で楽しむのはそのほとんどが‘ソメイヨシノ’という種になります。もちろん‘ソメイヨシノ’以外にも、中国から渡来した「カンヒザクラ」や里桜と呼ばれる園芸品種群、たとえば‘河津桜’‘紅枝垂れ’、また八重桜の‘関山’といった桜達が多数あり、江戸時代に多くの品種が生まれています。

 ところで‘ソメイヨシノ’は染井吉野と記しますが、このサクラは江戸時代末期に江戸の染井村[現在の東京都豊島区駒込の西部]の植木屋から発売された品種で、それまでは地元の山野に自生していたサクラを身近な場所に植えてきました。‘ソメイヨシノ’は成長が早く、葉に先立ち、枝いっぱいに一斉に花を咲かせる姿が万人に好まれ、全国に広がっていきました。その結果、公園や堤には‘ソメイヨシノ’が咲き誇り、人々に親しまれるようになりました。

 公園の周囲に残された雑木林にも「ヤマザクラ」が点在しており、木々の芽出しに彩りを添えています。4月下旬の八重桜が終わろうとする頃、桜らしからぬサクラが花を咲かせます。特にEゾーンに多く見られるのですが、それは「ウワミズザクラ」と「イヌザクラ」です。どちらもブラシ状の総状花序をだし、5弁の白い小花を多数密につけます。両者はもともとこの辺りの野山に自生している種で、公園をつくる時そのまま残されたものです。花後には実が付き、8月ころになると黄色から赤い実と変わり、たくさんの実をつけた木々があちこちに見られます。また秋の黄葉も見事で、3度楽しめるサクラといえます。

花の丘公園桜

お問い合わせ

千葉県立北総花の丘公園花と緑の文化館緑の相談所
相談日:火曜日、金曜日、日曜日 午前10時0分~正午・午後1時0分~午後4時0分
電話:0476-47-4031

(記事・写真提供:千葉県立北総花の丘公園 緑の相談員 吉村 孝 氏)

No.11 早春の花

 公園には年が明けてから桜の季節までの間に花をつける木が結構あります。まだ冷たい風が吹きますが、春の足音は早春の花とともに聞こえてきます。

 そこで今回は「マンサク」「サンシュユ」を取り上げてみます。2月の雪で例年より花が咲くのが遅れていますが、このような年は暖かくなると一斉に咲きそろい見事な花姿が見られることでしょう。
マンサク(花の丘公園)

【マンサク】マンサク科マンサク属の落葉低木~小高木
 ほとんど日本全土の山地に生え、花弁は4枚で黄色くねじれたような紐状の花をつけます。ガク片は4枚で内面が暗紫色をしており、花びらが散っても残っているので花と見間違えそうです。
 名前は「まずさく」がなまったとされています。あるいは樹冠いっぱいに咲く花から「豊年満作」を連想したのではという説もあります。
 日当たりが良い場所を好み、猛暑には弱い木ですが病害虫の心配がほとんどありません。
 中国大陸には「シナマンサク」が自生しており、香りがある黄色い花を枯葉が残っている枝にたくさん着けます。マンサクとシナマンサク等との交配で園芸品種が数多くつくられ赤花の品種もあり、容易に手に入れることが出来ます。

サンシュユ(北総花の丘公園)

【サンシュユ】ミズキ科サンシュユ属の落葉広葉樹
 中国、朝鮮半島に自生しています。江戸時代に薬用植物として渡来し、実が漢方薬(八味地黄丸)に利用されています。
 早春の花を楽しむ木として「ハルコガネバナ」とも呼ばれ、マンサクとともに公園などに多く植栽されています。また、10月から12月頃には2センチメートル程の赤い実がぶら下がり、枯れ葉の中に宝石のように光っています。
 生長が早く、根元からヒコバエが出やすいので、早めに間引いて整理しておくとよいです。
 ミズキ科の「ハナミズキ」「ヤマボウシ」などの葉と形や様子が良く似ていますが、葉裏を見ると葉脈の間にススを被った様に濃褐色の毛が密に生えているので区別がつきます。

サンシュユ‐赤(北総花の丘公園)

 秋に赤くなった実をよく洗い果肉を落として、すぐにポットに播く【とりまき】と容易に増やすことが出来ます。翌春に発芽しない種子もありますから、水やりを忘れずに、もう1年待ってください。2年後には発芽するので気長に楽しみましょう。

お問い合わせ

千葉県立北総花の丘公園花と緑の文化館緑の相談所
相談日:火曜日、金曜日、日曜日 午前10時0分~正午・午後1時0分~午後4時0分
電話:0476-47-4031

(記事・写真提供:千葉県立北総花の丘公園 緑の相談員 吉村 孝 氏)

No.10 梅

うめ

 大寒もすぎ、日増しに陽の光も強くなっていくのを感じます。この頃になると梅の便りがあちこちから聞こえてきます。桜ほど話題にはなりませんが、春の知らせとして心温まるものがあります。

 梅は中国中部原産で唐の時代に渡来したとみられ、奈良時代には高貴な花として、桜よりも貴族や文人に愛されていたようです。現在の梅の品種は400以上あり、その多くは江戸時代に見いだされました。梅の品種を大きく区分すると、花を観賞するために育成された「花梅」と、実を梅干しや梅酒用と利用する「実梅」になりますが、「花梅」は品種の生い立ち、性質から原種に近い性質の【野梅系】、野梅から変化して花色が紅色で枝の髄が赤い色をしている【緋梅系】グループ、アンズとの雑種ではとみられている【豊後系】に分けられています。

 公園にも小さな梅林があり、真っ先に紅梅が咲きだします。また「鶯宿梅(オウシュクバイ)」、「白加賀(シロカガ)」といった実梅の系統が多くあります。「鶯宿梅(オウシュクバイ)」は平安時代の村上天皇にまつわる伝説の梅です。

 実梅も以前では「白加賀(シロカガ)」が一般的な品種でしたが、最近では和歌山県で発見され育成されてきた「南高梅(ナンコウウメ)」が有名になってきました。この梅は明治時代に実生苗のなかから果実が大きいものが発見され「高田梅」として篤志家によって栽培されていましたが、1950年に発足した「梅優良母樹選定会」で最優良品種との評価をうけ、和歌山で生産振興に取り組んできたものです。

 梅林は、北総花の丘公園のほか、柏の葉公園、青葉の森公園にもあり、花時には多くの方々が来園されます。桜の名所は江戸の時代からあちこちに作られ、庶民の行楽の場として栄えてきましたが、江戸には梅の名所も存在していたようで、歌川広重の「名所江戸百景」のなかに「蒲田の梅園」と「亀戸梅屋舗」が描かれています。「亀戸梅屋舗」の絵はあのゴッホが油絵に模写したことで有名です。場所は亀戸天神の北東部で、地図で見る限り名前は残っていませんが、「蒲田の梅園」は京急本線に「梅屋敷駅」があり「梅屋敷通」「梅屋敷公園」などに名前を留めています。

うめ

お問い合わせ

千葉県立北総花の丘公園花と緑の文化館緑の相談所
相談日:火曜日、金曜日、日曜日 午前10時0分~正午・午後1時0分~午後4時0分
電話:0476-47-4031

(記事・写真提供:千葉県立北総花の丘公園 緑の相談員 吉村 孝 氏)

No.9 初春の香り

初春の香り

 真冬になると、関東では北西から冷たい木枯らしが吹き、その翌朝には凍てつく寒さになります。この頃の庭や畑、雑木林を見ると、まさに冬枯れといった風情で寂しく感じられますが、どこからともなく良い香りが漂ってきます。

 近所のお宅にロウバイが咲き始めたようです。また、庭の片隅に、人知れず白い水仙の花を見つけることが出来ます。どちらもとても良い香りを放つ初春にふさわしい花といえます。ロウバイ、水仙ともお正月の生け花によく使われています。

 公園のBゾーン駐車場入り口通路脇にはソシンロウバイが並んで植えられているので、満開になると青空に黄色の光沢のある花が映えます。これからしばらくは晴れた日に良い香りを辺りに漂わせます。

 ロウバイは、蠟梅と記しますが梅の仲間ではありません。ロウバイの自生地は中国中北部で、日本には江戸時代の初期に渡来し、真冬の花木として楽しまれてきたロウバイ科ロウバイ属の落葉低木です。花は内側の花被片が暗紫色で外側が黄色でつやがある花を小枝にたくさんつけます。

 東洋ランでソシン(素心)という場合は、花の中央にある唇弁が真白なものを指しますが、ソシンロウバイと呼んでいる花は内側の花被片も黄色くなり花全体が黄色一色になっているものです。ソシンロウバイはロウバイの台木に接ぎ木されたもので、めったに本来のロウバイにお目にかかることはありません。

 ロウバイと同じ時期に庭で香りが良い白い花を咲かせる水仙はニホンスイセンと呼ばれ、日本原産のように思われていますが、自生地は地中海沿岸地域で中国を経て日本に入ってきた植物です。暖流が流れる海岸地域によく生えており、越前海岸、伊豆下田の海岸、房総半島の鋸南から鴨川辺りの海岸沿いの地域などが有名です。

 水仙は植えたままにしていると、葉だけが繁り花が着かなくなることがあります。原因の多くは、球根が分球して増え、ぎゅうぎゅう詰めで太ることが出来ないことにあります。葉が枯れる6~7月頃に堀りあげ、大きめの球根を選び、9月頃に余裕を持った間隔で、地面から球根底まで15-20センチメートルの深さに植えなおしてください。また葉は伸びて見苦しくなっていても切らずに、枯れるまでそのままにしておいてください。

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千葉県立北総花の丘公園花と緑の文化館緑の相談所
相談日:火曜日、金曜日、日曜日 午前10時0分~正午・午後1時0分~午後4時0分
電話:0476-47-4031

(記事・写真提供:千葉県立北総花の丘公園 緑の相談員 吉村 孝 氏)

No.8 木枯らしと紫式部

クヌギと富士山

 公園のイロハモミジの紅葉、クヌギ、イヌシデの黄葉は木枯らしが吹くごとに散っていきますが、12月に入ってもしばらくは楽しむことが出来ます。

 木枯らしが吹いた翌朝冷え込み、空が青く広がる日には公園周辺から筑波山や富士山を望め、木々の梢や林床に小鳥の姿が見られるようになります。ウグイスが枝の間を飛び回り、虫などのエサを探し、サザンカの花の蜜を吸いにメジロやヒヨドリが訪れます。

 メジロはだいたいつがいで行動していますが、きれいなウグイス色をしているので、ウグイスと間違われることがあります。ウグイスはこの頃は、チャッチャッと地鳴きをして、藪の中をあわただしく動き回っており、くすんだ緑色で藪に紛れ姿は見つけにくいのですが、その声で近くに居ることが分かります。

 また、この季節になると姿を見せるツグミ、アカハラ、シロハラといった全長24~25センチメートル位の同じ大きさの鳥がいます。木の葉が落ちた林の下を、エサを探しながらカサカサと動き回っている姿が春頃まで見られます。

 公園には小鳥たちのエサとなる木の実がたくさんありますが、冬が深まるにつれ食べられて姿を消していきます。しかし、12月中はまだ残っている実が多く、藪際によくはえているムラサキシキブの紫の小さな実があちこちに見られます。

 ムラサキシキブは、この辺りの林に普通に見られるクマツヅラ科ムラサキシキブ属の2~3mになる低木で、学名表記ではCallicarpa  japonica と記します。属名のCallicarpaは‘美しい果実’という意味です。

 園芸店で鉢物として販売されている丈が短く紫の実が密についているムラサキシキブは「コムラサキ」という高さが1~1.5m位となる別種の樹木です。どちらも日本の山野に自生している丈夫で育てやすい低木です。

 
シロハラとムラサキシキブ

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No.7 深まる秋

イイギリ・イロハモミジ

 公園の木々も色付きはじめ、赤や白い木の実が目立つようになってきました。Bゾーンにはイロハモミジが多く、紅葉が青空に映える季節となり、途中の通路には、ひときわ目立つイイギリがナンテンの様な赤い実をたわわにつけ高い木にぶら下がっているのが観察できます。

 イイギリはイイギリ科イイギリ属の1種1属の日本に自生する高さが10~15mとなる落葉高木です。雌の木と雄の木がある雌雄異株の植物で、実がぶら下がっている雌の木の近くには、実をつけない雄の木が数本あります。雌雄異株の植物は身近にも見られ、イチョウ、アオキ、キンモクセイ、サンショウなどがあります。イイギリの花は4、5月頃に咲き、雌花はランのごとき香気ありと図鑑に記してありますが、何せ高いところに咲く花なので確かめることは難しいです。

 10月になるとサザンカが咲き始め秋も深まる頃になると満開になり、ヒヨドリやメジロなどが花の蜜を吸いにたくさん集まってきます。朝早くからピーピーとけたたましくなくヒヨドリの声でサザンカの花盛りを知ります。

 サザンカはツバキ属の木でツバキとよく似ています。日本原産の樹木で四国、九州、沖縄など暖かな地域の山林に自生しており、本来の花色は白です。ツバキとの見分け方は、花期の違い、と言っても秋に咲く早咲きツバキも若干ありますが、ツバキより葉が小ぶりで、裏面に短毛が見られます。若い枝にも短毛がびっしりと生えています。

 同じツバキ属の木にチャノキがあり、サザンカと同じ時期に花を咲かせます。この辺りでも畑の境などに植えられていることがあり、白い寂しげな花をつけ、ほのかな香りが漂ってきます。チャノキの葉をお茶にして愛飲していてもチャノキの花を見たことがない人がたくさんいるのではないでしょうか。チャノキは中国の四川、雲南地域が自生地とみられ、日本には奈良時代に入り、薬用として利用が始まりました。

 チャノキは明治の時代から国として生産振興をしていますのでいろいろな品種が開発され、現在も味わい深い新しい品種が作られていますが、残念ながら現在生産されている中では「ヤブキタ」という品種が76%を占めています。

サザンカ・ナンキハゼ

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No.6 秋を彩るセージ

北総花の丘公園サルビア

 秋の青空の下でいろいろなセージが澄んだ花色を見せています。一般にセージと呼ばれていますが、これらの花はシソ科サルビア属の仲間で、たくさんの種があり、園芸店やホームセンターでも花付きの鉢物が販売されています。

 公園のルーラルガーデンに見られるセージは、空色のサルビア属アズレア、濃青紫のサルビア属‘インディゴスパイヤー’ [ラベンダーセージ]、濃青色のサルビア属‘ガラニチカ’[メドーセージ]、赤いサルビア属‘グレッギー’[チェリーセージ]や葉にパイナップル香りがあるサルビア属‘エレガンス’[パイナップルセージ]、ビロード状の紫花がかわいいサルビア属‘レウカンサ’[メキシカンセージ]と色とりどりです。どれも一度植えると毎年花を見られます。しかし、根付くと丈が高く成長し、秋には倒れ見苦しくなることがありますので、6月中に春から伸びた丈の半分から3分の1位に切り詰めると、残った枝からまた複数の枝が出てたくさんの花を付けます。切り取った枝は10センチメートル程に切り分け、下葉を取り赤玉などの培土に挿し芽をすると、1ヶ月位で根が張り、植えられるようになりますので、捨てずに増やしてお花の好きな方に差し上げると喜ばれます。

 またセージはハーブとしても知られています。ハーブにはシソ科の仲間が多く、皆がよく知っているローズマリー、タイム、ラベンダーといった木も数多く公園には植えられており、花の頃にはたくさんの種類の蜂や蝶が密を吸いに集まってきます。

 ローズマリーやタイムは肉料理の風味付けに利用できるので、あると重宝するハーブです。ローズマリーは秋が深くなった頃に、今年伸びた枝を切り、陰干しすると、葉の緑が残った状態で乾燥葉が仕上がります。

 

北総花の丘公園サルビア

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No.5 彼岸花と萩

彼岸花

【ヒガンバナ】
毎年秋の彼岸になると、畦道や小川の土手に赤い彼岸花〔マンジュシャゲ〕がじゅうたんを敷き詰めた様に出現します。赤い花だけで、葉はまだ見られません。毎年決まって彼岸に咲く花も、最近異常気象のせいか、彼岸より遅れて、10月に入って咲くことがあります。花が終わると冬に葉を出して光合成を行い、球根を太らせ初夏には枯れてしまいます。
彼岸花は、ヒガンバナ科ヒガンバナ属の球根植物で、はるか昔に中国から渡来したと見られています。日本の彼岸花は3倍体で種子が出来ないので、人の手により各地に広がりました。毒草ですが、飢饉のとき球根に蓄えられているでん粉を水でさらして毒を抜き食べられていました。しかし、子どもがスイセンやヒガンバナの球根をタマネギと思いカレーに入れて食べ、中毒を起こす事故がまれに発生していますので、くれぐれも間違えないよう注意してください。

宮城野萩

【ハギ】
公園のBゾーン入り口周辺に赤紫や白のミヤギノハギが枝を大きくしだれさせ、滝のように小さな花をたくさん付けます。名前の由来は、仙台駅から東に広がるいにしえの宮城野に多く見られたことによります。
萩はマメ科ハギ属の植物で、根粒菌と共生しているので、やせ地でも良く育ちます。公園や家庭で植えられている萩はほとんどがミヤギノハギですが、この辺りの雑木林や野原にはヤマハギが自生しており多く見られます。7月頃から赤紫の花を付けています。ミヤギノハギに比べ、枝が立ち、葉は丸みを帯びています。
萩は冬には枯れますので、枯れた枝を地際で刈り、花壇でスイートピーやグロリオサ等の支柱に利用すると良いでしょう。

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No.4 真夏の花(平成25年8月)

蝉の声が盛んになり、青空に浮かび白い雲が流れ、公園では暑さにもめげず夏の花が咲いています。

ブッドレア

【ブッドレア】
フジウツギ科ブッドレア属、和名をフサフジウツギという2~4mの高さとなる日当たりが大好きな低木です。中国原産の Buddleja davidii から多くの品種が作られ、赤、白、紫など現在40品種程が流通しています。 新しく伸びた枝先に円錐花序を出し、香りが良い数多くの小さな花を付け、枝元の方から咲き進んでいきます。夏を中心に長期間咲き続け、寒さにも強く、蝶が集まる花として知られています。

ムクゲ

【ムクゲ】
アオイ科フヨウ属の耐寒性落葉低木で、中国から西アジア辺りが原産地と見られます。寒さに強く、強い刈り込みにも耐えられ、公園にも多く植えられています。日本には万葉の時代に入ってきたとみられ、古くから歌に詠まれる夏の花ですが、俳句では秋の季語として扱われています。 品種も数多く、赤、桃、白、底赤や八重咲きもあり、春から伸びた枝に蕾を付け、次々と花を開いていき、種類によっては一日花ではなく2、3日咲くものもあるようです。お隣の韓国では国の花となっています。若葉を食用に、成葉を茶の代用に、また樹皮、花を乾燥させたものを生薬として広く利用されてきました。

モミジアオイ

ムクゲの仲間には、真夏にふさわしい花、ハイビスカスやフヨウ、モミジアオイなど、また和紙のつなぎに使うトロロアオイ、衣服の原料のワタ、野菜のオクラなどがあり、同じアオイ科の植物で、きれいな一日花を暑い夏に咲かせます。(左画像:モミジアオイ)
ブッドレアもムクゲも挿し木で簡単に増やすことが出来ます。また、こぼれ種でも増えますので、自然に芽生えた苗を上手に育てると1、2年で花を咲かせます。

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No.3 ヤマユリ(平成25年7月)

ヤマユリ花

印西市の里山はヤマユリの宝庫です。北総花の丘公園のB、Eゾーンの林の淵に、そろそろヤマユリが咲き出す季節になりました。
ユリは日本を含めアジアに多く、北半球だけに限られ115種の原種が自生しています。中でも日本には、すばらしい花を咲かせるヤマユリ、ササユリ、ヒメササユリ、タモトユリ、ウケユリ、スカシユリの6種が固有種としてあり、そのほかテッポウユリが鹿児島県以南の島々に自生しています。それらの花は、野生でありながら既に完成された美しさがあります。
ヤマユリは、ユリのタイプ別に区分すると「オリエンタルユリ」と呼ばれ、その代表格に多くの人々に知られている真っ白な大輪の花をつける「カサブランカ」があります。この「カサブランカ」は日本の原種から改良され誕生しました。現在でもオランダでは新しいユリの品種が毎年多数誕生していますが、それらには少なからず日本の原種の血が入っています。

ヤマユリ蕾

もうひとつのユリの代表格にスカシユリ〔イワトユリ〕があります。海岸地帯の日当たりが良い場所に多く、ヤマユリより1ケ月早くオレンジ色の花を上向きに開きます。スカシユリから生まれた園芸品種もオリエンタルユリと同様、球根や切花として大量に出回っています。
自生している場所から、オリエンタルユリは直射日光を嫌い、スカシユリ、テッポウユリは太陽がです。来年もたくさん花を咲かせるには、咲き終わった花ガラを切り、すぐに追肥を施すことです。鉢植えは夏も冬も水を切らさないように、置き場所に注意し管理すると球根が太り、来年には花の数が増えます。鉢は数年そのままで良く、毎年植え替える必要はありません。

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No.2 アジサイ(平成25年6月)

北総花の丘公園アジサイ青

梅雨空の下にアジサイの花があちこちできれいに咲いています。北総花の丘公園でも毎年ボランティアの方々が手入れしてくださるアジサイが花盛りです。
母の日のプレゼントに喜ばれ、「ハイドランジア」と呼ばれているアジサイは日本の自生種がヨーロッパで改良され、里帰りした花がもとになっています。日本の自生種「ガクアジサイ」は伊豆半島東部、三浦半島、房総半島の海岸部、伊豆諸島等に自生しており、葉は大きく光沢があり、花房の周辺にガクが花びらのように見える装飾花をもっています。




北総花の丘公園アジサイ桃

最近では、山間部の湿った場所に自生している「ヤマアジサイ」を改良したアジサイが出回るようになっています。こちらはガクアジサイに比べ、装飾花も葉も小さく、かわいらしい風情を漂わせています。
伊豆半島に自生するヤマアジサイの中でも甘味成分「フィロズルチン」の含有が高いものを「アマチャ」と呼んでいます。どちらの種も日が当りすぎると葉焼けを起こしやすくなりますが、花つきはよくなります。
花房が細長く、白い花をつける「カシワバアジサイ」は北アメリカ東南部の自生種で日当たりが好きです。
アジサイが来年も良く花をつけるには、花後の剪定が大切です。花が咲いた枝を遅くとも8月上旬までに、上から3~4節〔節とは葉がついている部分〕のところで切り戻します。するとその下の数節に花芽を持った芽が夏から秋に出来て、冬には膨らんだ芽の姿が確認できます。
今の時期、挿し木でも簡単に増やすことが出来ます。枝を数節で切り、上の1節のみに葉をつけ、他は切り落とし、赤玉〔小粒〕に挿し、日陰で水を切らさずに管理すると2ヶ月くらいで根が出てきます。

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No.1 バラ、花後の手入れ(平成25年5月)

北総花の丘公園バラ園

北総花の丘公園のバラ園も、小さいながら花時を迎えています。バラは、西アジア、中国等に自生している原種や日本のノイバラから育種されてきました。バラの原種は初夏に1回だけ花をつける性質でしたが中国に自生している四季咲き性の「コウシンバラ」の血を入れることにより現代の四季咲きバラが誕生しました。
現在流通している品種の多くは四季咲き性となっていますので、咲き終わった花を切ると、葉のつけねから新しい芽がのび次の花を咲かせます。花びらが散ったら直ちに5枚葉の2,3ミリ上の部分で切り戻しを行い、追肥として化成肥料または有機質肥料を与えます。

北総花の丘公園バラ

蕾が膨らむ頃、アブラムシやアオムシが発生し、蕾や葉を食べたり傷めたりします。梅雨時になると葉に黒い星が出来て葉が落ちる病気が発生したりします。落ちた葉は病気の菌を持っていますので、そのままにしないで、株の周辺からきれいに取り去ってください。
病気や虫の消毒には、薄めずに使えるスプレー式容器に入った殺虫剤・殺菌剤混合薬剤が便利です。

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千葉県立北総花の丘公園の紹介

千葉県立北総花の丘公園の風景

(千葉県立北総花の丘公園の風景)

公園には年が明けてから桜の季節までの間に花をつける木が結構あります。まだ冷たい風が吹きますが、春の足音は早春の花とともに聞こえてきます。

そこで今回は「マンサク」と「サンシュユ」を取り上げてみます。2月の雪で例年より花が咲くのが遅れていますが、このような年は暖かくなると一斉に咲きそろい見事な花姿が見られることでしょう。

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