[2018年3月20日]
ID:7405
今や日本人の2人に1人はがんになる時代です。
国立がん研究センターをはじめとする研究グループでは、日本人を対象としたこれまでの研究を調べました。その結果、日本人のがんの予防にとって重要な、「禁煙」「節酒」「食生活」「身体活動」「適正体重の維持」「感染」の6つの要因を取りあげ、「日本人のためのがん予防法」を定めました。
このうち、「感染」以外は日頃の生活習慣に関わるものです。
「禁煙」「節酒」「食生活」「身体活動」「適正体重の維持」の5つの健康習慣を実践することで、がんリスクはほぼ半減します。
国立がん研究センター「がん情報サービス」の「科学的根拠に基づくがん予防」から、がん予防のための5つの健康習慣をご紹介します。
日本人を対象とした研究の結果から、たばこは肺がんをはじめ食道がん、膵臓がん、胃がん、大腸がん、膀胱がん、乳がんなど多くのがんに関連することが示されました。
たばこを吸う人は吸わない人に比べて、がんになるリスクが約1.5倍高まることもわかっています。
受動喫煙でも肺がん(特に腺がんタイプ)や乳がんのリスクは高くなります。たばこは吸う本人のみならず、周囲の人の健康も損ねます。
飲酒は食道がん、大腸がんと強い関連があり、女性では男性ほどはっきりしないものの、乳がんのリスクが高くなることが示されています。女性のほうが男性よりも体質的に飲酒の影響を受けやすく、より少ない量でがんになるリスクが高くなるという報告もあります。
飲む場合は純エタノール量換算で1日あたり約23g程度までとし、飲まない人、飲めない人は無理に飲まないようにしましょう。
飲酒量の目安(1日あたり純エタノール量換算で23g程度)
毎日飲む人は以下のいずれかの量までにとどめましょう。
●日本酒 … 1合
●ビール大瓶(633ml) … 1本
●焼酎・泡盛 … 原液で1合の3分の2
●ウィスキー・ブランデー … ダブル1杯
●ワイン … ボトル3分の1程度
これまでの研究から、「塩分のとりすぎ」「野菜や果物をとらない」「熱すぎる飲み物や食べ物をとること」が、がんの原因になるということが明らかになっています。このことから、塩分を抑え、野菜と果物を食べ、熱い飲み物や食べ物は少し冷ましてからとるという3つのポイントを守ることで、日本人に多い胃がんのリスクや、食道がん、食道炎のリスクが低くなります。
調査から、食塩摂取量の多い男性のグループでは胃がんのリスクが高いことがわかっています。また、女性は男性ほどはっきりした関連はみられないものの、いくら、塩辛などの塩分濃度の高い食べ物をとる人は男女ともに胃がんのリスクが高いという結果も報告されています。
塩分を抑えること、すなわち減塩は、胃がんの予防のみならず、高血圧、循環器疾患のリスクの低下にもつながります。
食塩摂取量の目安
日本人の食事摂取基準(厚生労働省策定「日本人の食事摂取基準2015年版」)では、1日あたりの食塩摂取量を男性は8.0g未満、女性は7.0g未満にすることを目標としています。塩蔵食品、食塩の摂取は最小限にするよう心がけましょう。
野菜と果物の摂取が少ないグループでは、がんのリスクが高いことが示されています。しかし、野菜や果物を多くとればリスクが低下するかどうかという点に関しては明らかではありません。
特に、食道がん・胃がん・肺がんについては、野菜と果物をとることで、がんのリスクが低くなることが期待されますが、いずれのがんも喫煙との関連がとても強いため、明確な結論は出ていません。また、食道がんは飲酒との関連が強いことがわかっています。これらのことから、禁煙と節酒を心がけることがまず重要となります。
また、野菜と果物をとることは、脳卒中や心筋梗塞をはじめとする生活習慣病の予防にもつながるので、できるだけ毎日意識的にとるようにしましょう。
厚生労働省策定「健康日本21」では、1日あたり野菜を350g以上とることを目標としています。
飲み物や食べ物を熱いままとると、食道がんと食道炎のリスクが高くなるという報告が数多くあります。飲み物や食べ物が熱い場合は、少し冷まし、口の中や食道の粘膜を傷つけないようにしましょう。
仕事や運動などで、身体活動量が高い人ほど、がん全体の発生リスクが低くなるという報告があります。
身体活動量が高い人では、がんだけでなく、心疾患のリスクも低くなることから、死亡全体として考えた場合のリスクも低くなります。普段の生活の中で、可能なかぎり身体を動かす時間を増やしていくことが、健康につながると考えられます。
推奨される身体活動量の目安
●身体活動の取り組み方
現在の身体活動量を、少しでも増やしましょう。
例えば、今より毎日10分ずつ長く歩くなど。
●運動の取り組み方
運動習慣をもつようにしましょう。
例えば、30分以上の運動を週2日以上行うなど。
これまでの研究から、男性の場合、肥満度の指標であるBMI(※4)値21.0~26.9でがんのリスクが低く、女性は21.0~24.9で死亡のリスクが低いことが示されました。
※4 BMI:Body Mass Index 肥満度を表す指標です。値が高くなるほど、肥満度が高いことを表します。
BMI値=(体重kg)/(身長m)2
女性においては、閉経後は肥満が乳がんのリスクになることが報告されていますので、太りすぎに注意しましょう。
健康全体のことを考えると、男性はBMI値21~27、女性は21~25の範囲になるように体重を管理するのがよいようです。
国立がん研究センター がん情報サービス
「科学的根拠に基づくがん予防」
https://ganjoho.jp/public/pre_scr/cause_prevention/evidence_based.html
印西市役所健康子ども部健康増進課健康支援係
電話: 0476-42-5595(中央保健センター内)
ファクス: 0476-42-5514
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