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木造不動明王立像及び毘沙門天立像[県指定有形文化財(彫刻)]

[2016年3月23日]

ID:5035

木造不動明王立像及び毘沙門天立像(2躯)

木造不動明王立像及び毘沙門天立像

 木造不動明王立像は、割矧造で玉眼嵌入、黒漆塗、像高62センチメートルです。頭髪は巻髪で、頂部に巴形の莎髷を結っています。左耳前に辮髪を垂らしており、頭髪正面に小花冠をあらわしています。

 額には水波相をあらわしており、両目は瞋目。左上牙を下出させ、右下牙を上出させています。

 小さく鼻孔を穿ってあります。左手は屈臂して左前方で羂索を執り、右手は屈臂して肘を張り、三鈷剣を執ります。顔をほぼ正面に向け、左足を少し踏み出し、腰をやや右に捻って岩座上に立ちます。服は、条帛を左肩から右脇腹へと懸け、末端は左胸で一重目の下にたくしこんで垂らしています。ただし、左肩から背面では、一重目と二重目が上下逆にあらわされます。裙・腰衣を着け、一段折り返し、正面に帯の結び目をあらわします。結び目からは、腰衣風の太い帯が背面にかけて弧状に巡ります。後世に補われた銅製の臂釧・腕釧・足釧を付けます。

 毘沙門天立像は、割矧造で、全身に黒漆が塗られています。像高65.5センチメートルです。兜をかぶり、頂に宝珠を載せています。両目は瞋目で玉眼嵌入されています。口は閉じ、小さく鼻孔を穿ってあります。腰を左に捻って邪鬼の背に立っています。大袖の衣を着け、裙・袴を着けて甲を着用しています。さらに天衣を懸け、沓を履いています。

 両像とも像内に仏師賢光の銘あり、迫力ある顔つき、動きのある身のこなし、厚みのある体などの特徴は、鎌倉時代の作風を示しています。

 賢光の作例は、当市松崎多聞院の毘沙門天及び両脇侍像、平賀来福寺の薬師如来座像など千葉県内で4件の事例が判明しており、13世紀後半の上総・下総で広く活躍したことで知られ、本像は、鎌倉時代後期に当地方で活躍した賢光の新出作例として大きな意味を持ちます。

 また、中世の一仏師の作例がこれほどまとまって残されていることは稀で、日本の中世彫刻史上でも大きな意義を持ちます。


【所在地】小林1615(西福寺) 【指定年月日】平成25年3月1日

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