[2025年4月18日]
ID:5128
瓦塔とは、木造建築の塔の形を模して作られた焼物の塔をいいます。褐色の土師質のものと灰色の須恵質のものがあります。壁(軸)と屋根(屋蓋)を一層ごとに作り、組み上げて完成させます。
馬込遺跡は印西市平岡に所在し、平成9年から平成10年にかけて発掘調査が行われた集落遺跡で、奈良平安時代の竪穴住居7軒、掘立柱建物6棟、竪穴状遺構1基、土坑1基が確認されました。瓦塔は、破片の形で調査区北端部分から集中して出土しました。このことから、集落内に安置されていたと推定されます。発掘後の整理作業により、瓦塔の破片は、七重塔2基に復元できることがわかりました。どちらも1階の壁にあたる部分(初軸部)は、四面に扉が開く構造で、簡単な基壇と退化した組物の表現が見られます。屋蓋は、瓦の丸瓦のみを軒先の結節一ヶ所で表現し、軒裏は削り出しによる一軒構造としています。
千葉県内では、現在までに38点の瓦塔・瓦堂が出土していますが、一遺跡から七層2基に復元できる瓦塔が出土した例はなく、これは全国的に見ても唯一の例です。この瓦塔は、千葉県のみでなく、古代東国の集落内に浸透していた仏教信仰の実態を知る上で極めて貴重な考古資料です。
【所在地】印西市 【指定年月日】平成20年3月18日
◇木下交流の杜歴史資料センターに展示しています。
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