[2025年9月12日]
ID:20429
RSウイルスにより引き起こされる急性の呼吸器感染症です。RSウイルスは乳幼児から大人まで誰もが感染するウイルスです。生後1歳までに50%以上が、2歳までにほぼ100%の乳幼児が少なくとも一度は感染するとされています。
・RSウイルスに感染している人がくしゃみや会話をした際に空気中に飛び散ったウイルスを吸い込むことによる「飛まつ感染」
・ウイルスが付着した手指やドアノブ、手すり、おもちゃなどを触ったりすることによる「接触感染」
通常、2〜8日の潜伏期間の後、発熱、鼻水・咳などの上気道の症状がみられるようになります。約70%の乳幼児では、上気道炎の症状が数日続いた後、快方に向かうと報告されています。
一方、残り30%の乳幼児ではその後、細気管支炎や肺炎などの下気道炎を引き起こして重症化し、強いせきやゼーゼー、ヒューヒューといった喘鳴(ぜいめい)、呼吸困難により顔色が青白い、唇の色が青紫色になるなどの下気道炎の症状がみられるようになります。
初回感染時には、より重症化しやすいといわれており、特に生後6ヶ月以内に感染した場合には、細気管支炎や肺炎など重症化することがあります。
また、重篤な合併症として、1歳以下では中耳炎の合併症がよくみられる他、無呼吸発作、急性脳症等があります。
一般的には、風邪の様な症状のみで、重症化することは少ないとされていますが、以下に該当する方は重症化リスクがあることが知られているため感染に注意する必要があります。
● 高齢者
● 慢性心疾患または慢性呼吸器疾患のある成人
● 免疫系が低下している成人
● 他に基礎疾患がある成人
● 老人ホームや介護施設に入所している成人
確立された治療法はありません。
基本的には、症状に応じた治療(対症療法)を行います。重症化した場合には、酸素投与、点滴、呼吸管理などを行います。
・日常的に触れるおもちゃや手すりなどは、こまめにアルコールや塩素系の消毒剤などで消毒し、流水・石鹸による手洗い、またはアルコール製剤による手指衛生を行う。
・鼻汁、咳などの呼吸器症状がある場合はマスクが着用できる年齢の子どもや大人はマスクを使用し、手洗いや手指衛生といった基本的な対策の徹底を行う。
RSウイルスワクチンには(1)60歳以上を対象としたワクチン(2)赤ちゃんをRSウイルス感染症から守るために妊婦さんが接種するワクチンがあります。
赤ちゃんをRSウイルス感染症から守るために妊婦さんがワクチンを接種すると、RSウイルスに対する「抗体(免疫物質)」が体内で作られます。妊婦さんの体の中でつくられた「抗体」が、胎盤を通じて赤ちゃんに移行することによって、赤ちゃんをRSウイルス感染症の重症化から守る効果が期待できます。
(注意)印西市では、ワクチン接種費用等に対する助成は行っておりません。上記のワクチンはいずれも任意での接種となり、費用は全額自己負担となります。希望される方は医療機関へご相談ください。
RSウイルスに対する抗体を生まれてきた赤ちゃんに直接投与することによって、赤ちゃんの感染や重症化を予防する効果が期待できます。希望される方は医療機関へご相談ください。
RSウイルスは、感染症発生動向調査において5類定点把握疾患に分類され、全国約2,000カ所の小児科定点医療機関からの毎週の報告に基づいて発生動向が収集・分析されています。最新の発生状況については、感染症発生動向調査をご参照ください。
【感染症発生動向調査(IDWR)|国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト】(別ウインドウで開く)
【IDWR 感染症発生動向調査週報「過去10年間との比較グラフ」-RSウイルス感染症 RSV Infection -|国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト】(別ウインドウで開く)
【IDWR 感染症発生動向調査週報 注目すべき感染症 -RSウイルス感染症|国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト】(別ウインドウで開く)
印西市役所健康子ども部健康増進課感染症予防係
電話: 0476-33-3785
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