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辻切り

[2026年9月7日]

ID:21983

辻切り

新しい年を迎えた1月8日の朝、竜腹寺区の人々は稲藁を抱えて龍腹寺地蔵堂に集まります。「綱ぶち」行事に参加するためです。

昨秋から蓄えておいた稲を棒で叩いて柔らかくし、数人の手で太さ7~8センチメートル、長さおよそ10mの注連縄を作ります。注連縄の中心部には「龍腹寺」の「牛王法印」(厄除の護符)をヌルデの枝に挟み、榊の葉、篠竹、区内安穏・五穀豊穣と書かれた札と共に挟みます。ヌルデ(白膠木)は、葉に生じる虫こぶを乾燥させたものがタンニンを含み、薬用効果があることから使用されたのでしょう。

注連縄は3本作られると、集落の入り口に祀られている道祖神の傍らの樹木に張り渡されて、集落の安寧を守ることを託されます。「綱ぶち」で作られた注連縄が「辻切り」となるのです。

辻は、道が十字型に交差してる場所をいいますが、みちばた、みちすじ、村境の意味も持っています。

「辻切り」「道切り」「綱つり」などと言われる行事は、集落の境を示して、外部からの悪疫や悪人、不幸が進入して来ないことを祈る厄除の行事です。

吉高の仲村地区の辻切りは百万遍という念仏講のなかで行われます。2月17日の朝、注連縄に宗像神社の幣束を下げた輪飾りを村境の7か所に張り、観音堂に集まり鉦が叩かれるなか、真言経を唱えながら数珠繰りをし、その後は賑やかな会食となります。

仏教寺院の法印を神道の道祖神に掲げる龍腹寺、百万遍という仏教行事に宗像神社の幣束を用いる吉高、ともに神仏混淆というより、古代から始まった土俗的な慣習が読み取れます。

千葉県内で行われている辻切りには、藁作りの舵が登場することが多いようです。その外、この村には巨人がいるぞという大きな人形や藁草履を用いるところもあります。また泥棒さん、この村には何もありませんと貧相な家具や野菜を吊るす村など、それぞれが知慧を絞って、集落を災難から守ろうとした姿をしのぶことができます。

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印西市役所教育委員会 生涯学習部文化振興課文化財係

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