[2024年4月1日]
ID:7715
ジフテリア菌の飛沫感染で起こります。
主にのどや鼻に感染し、10%程度の人に症状が出るだけで、残りの人は症状が出ない保菌者となり、その人を通じて感染することもあります。症状は高熱、のどの痛み、犬吠様のせき、嘔吐などで、偽膜と呼ばれる膜ができて窒息死することもあります。発病2~3週間後には菌の出す毒素によって心筋障害や神経麻痺を起こすことがあるため注意が必要です。
近年患者数は増加傾向にあり特に5歳以上から10歳未満に増加がみられます。感染力が強く、学童期の小児や成人を感染源に、乳幼児が感染すると重症化や死亡につながる可能性があるため、予防接種が重要です。
普通のかぜのような症状で始まり、続いてせきがひどくなり、顔を真っ赤にして連続的にせき込むようになります。せきのあと急に息を吸い込むので、笛を吹くような音が出ます。熱は通常出ません。乳児期にはせきで呼吸ができず、くちびるが青くなったり(チアノーゼ)けいれんが起きるあるいは突然呼吸がとまってしまうことなどがあります。肺炎や脳症などの重い合併症を起こしやすく、新生児や乳児では命を落とすこともあります。
破傷風はヒトからヒトに感染するのではなく、土の中にいる菌が、傷口からヒトの体内に入ることによって感染します。菌が体の中で増えると、菌の出す毒素によって筋肉のけいれんを起こします。最初は口が開かなくなるなどの症状が気付かれ、やがて全身の強直性けいれんを起こすようになり、治療が遅れると死に至ることもある病気です。患者の半数は本人や周りの人では気がつかない程度の軽い刺し傷などが原因です。土中に菌がいるため、感染する機会は常にあります。また、お母さんが免疫をもっていれば出産時に新生児が破傷風にかかるのを防ぐことができます。
口から入ったポリオウイルスは咽頭や小腸の細胞で増殖します。増えたウイルスは便中に排出され、再びヒトの口に入り、免疫のない人の腸内で増殖し、ヒトからヒトへ感染します。ポリオウイルスに感染しても、ほとんどの場合は症状が出ず、一生抵抗力(終生免疫)が得られます。症状が出る場合、ウイルスが血液を介して脳・脊髄へ感染が広まり、麻痺を起こすことがあります。ポリオウイルスに感染すると100人中5~10人は風邪のような症状があり、発熱を認め、続いて頭痛、嘔吐があらわれます。感染した人の中で約1000人~2000人に1人の割合で手足の麻痺をおこします。一部の人は、その麻痺が永久に残ります。麻痺症状が進行し、呼吸困難により死亡することもあります。
インフルエンザ菌、特にb型は、中耳炎、副鼻腔炎、気管支炎などの感染症のほか、髄膜炎、敗血症、肺炎などの重篤な全身性の感染症をおこす病原菌です。Hibによる髄膜炎は、5歳未満の人口10万対7.1~8.3とされ、年間約400人が発症し、約11%が予後不良と推定されています。生後4か月~1歳までの乳児が過半数をしめています。
【DPT-IPV-Hib/5種混合、DPT-IPV/4種混合、DPT/3種混合、DT/2種混合ワクチンについて】
5種混合ワクチンは、令和6年4月から定期化されました。商品名:ゴービック、クイントバックのいずれかで接種します。これまでに、4種混合ワクチン、Hibワクチンで接種完了している人は、5種混合ワクチンの対象者ではありません。
百日せき・ジフテリア・ポリオ(急性灰白髄炎)・破傷風のいずれかにかかったお子さんもDPT-IPV-Hib/5種混合ワクチンを使用することが可能とされています。
【ポリオワクチンについて】・・・5種混合ワクチンおよび4種混合ワクチンとして接種します。
以前は、経口生ポリオワクチン(OPV)を使用して予防接種をおこなってきましたが、100万人接種に1例前後という、まれではありますがOPVの重大な副反応であるワクチン関連麻痺を避けるため、平成24年9月1日より定期接種としてのポリオワクチンをOPVから不活化ワクチン(IPV)に変更しました。
IPVには1、2、3型の3つのタイプのポリオワクチンウイルスの抗原(免疫を与えるもと)が混ざっています。3回のIPV接種を受けることでほぼ100%の免疫を獲得できますが、IPVはOPVよりも免疫の持続が短いために、4回目の接種が行われています。
【DPT-IPV-Hib(5種混合)ワクチンの副反応について】
副反応としては注射部位の発赤、はれ、しこりなどの局所反応、発熱、気分変化、下痢、食欲減退等がみられました。重大な副反応として極めてまれにショック、アナフィラキシー、血小板減少性紫斑病、脳症、けいれん等がみられることがあります。
【DT(2種混合)ワクチンの副反応について】
DT2期で最も多い副反応は、接種局所の反応です。注射部位の発赤・はれ・しこりなどの反応が7日目までに約31%認められ、発赤やはれは数日で自然に軽快しますが、しこりは小さくなりながらも数か月認められることもあります。接種後の37.5℃以上の発熱は0.5%未満です。
◎重い副反応はなくても、機嫌が悪くなったり、はれが目立つときなどは医師に相談してください。
【4種混合ワクチンの副反応について】
5種混合ワクチンと同様です
【3種混合ワクチンの副反応について】
5種混合、4種混合ワクチンとおおよそ同様ですが、注射部位の水疱を認めることがあります。また小さい硬結が長期間残る場合もありますが、やがて消失します。
【不活化ポリオワクチンの副反応について】
イモバックスポリオ皮下注については、3回接種後に、疼痛18.9%、紅斑77.0%、腫脹(はれ)54.1%、発熱(37.5℃以上)33.8%、傾眠状態35.1%、易刺激性41.9%が見られたと報告されています。頻度は不明ですが、ショック、アナフィラキシーに対する注意、けいれんが1.4%にみられています。
【5種混合(DPT-IPV-Hib)/2種混合(DT)第2期ワクチンの接種方法について】
1期初回として5種混合(ジフテリア・百日せき・破傷風・ポリオ・ヒブ/DPT-IPV-Hib)を20日から56日までの間隔をおいて3回接種し、初回終了後6か月以上(標準的には6か月から1年6か月までの間隔)おいて、1期追加として1回接種します。(1期は計4回)
2期として、11歳~12歳のあいだに、ジフテリア・破傷風(DT)を1回接種して完了します。
【4種混合(DPT-IPV)、3種混合(DPT)、不活化ポリオ(IPV)を使用する場合の接種方法について】
1期初回として20日から56日までの間隔をおいて3回接種し、初回終了後6か月以上(標準的には1年から1年6か月までの間隔)おいて、1期追加として1回接種します。(1期は計4回)
対象年齢 | 標準的な接種時期 | 接種間隔 | |
1期 | 生後2月~90月(7歳6カ月になる前日)に至るまで | <1期初回> 生後2月~12月に至るまで | <1期初回> 20日以上、標準的には56日までの間隔をおいて3回 |
<1期追加> 右欄のとおり | <1期追加> 1期初回(3回目)終了後6か月以上、標準的には6か月~18か月に至るまでに1回 | ||
2期 | 11歳以上13歳未満 | <2期> 11歳 | 11歳から12歳の間に1回接種 *11歳の誕生日前月に予診票を送付します。 |
4種混合ワクチン、ヒブワクチン予診票を持っていて、接種の続きを5種混合ワクチンで接種を希望されている人は、5種混合ワクチン予診票に交換しますので、ちば電子申請サービスからお手続きをお願いします。⇒ 「定期予防接種予診票再発行申請書」(別ウインドウで開く)
(注意)印西市外の医療機関で接種を希望される場合は、「印西市 こどもの予防接種(印西市外の医療機関で接種する場合(別ウインドウで開く))を参照ください。
令和7年7月頃までに、4種混合ワクチンの流通が終了することが発表されています。
4種混合ワクチンを接種している方は、至急接種を行うか、5種混合ワクチンへの切り替えをお願いします。
(例1)4種混合の初回を2回、ヒブの初回を1回接種済みの場合
⇒初回接種として、5種混合を1回接種+ヒブ1回接種
⇒追加接種として、5種混合を1回接種して完了
(例2)4種混合の初回を3回、ヒブの初回を1回接種済みの場合
⇒初回接種として、ヒブ2回接種
⇒追加接種として、5種混合を1回接種して完了
(例3)4種混合初回3回接種、ヒブは1期追加(4回目)まで接種完了している場合
⇒4種混合を1回接種して完了 (ワクチンの流通がなく、接種が困難な場合は健康増進課にご相談ください)